

- 2022年の報告数は2014年に比べ、男性が6.8倍、
女性が12倍に急増 - 男性は女性の約2倍の報告数

- 特に女性は15〜24歳の報告数が男性より多いのが特徴
- 男性は20〜40歳代で報告数が多い
- 男女とも10代の報告も


梅毒は性器同士の接触やキス以外に、オーラルセックス(フェラチオやクンニリングス)では口の中や
のど、アナルセックスでは、肛門や直腸に感染します。
梅毒になると粘膜に炎症をおこすため、HIVにも感染しやすくなります。



感染から1年以内に多い症状
性器・肛門・口の中にできもの、しこり、ただれができる


手のひら・足の裏・体に赤い発疹ができる


治療せずに放置していても半年以内に消えたり、一度消えてから再発することもあります。


治療しないまま、何年も放置すると…
心臓や血管の病気、神経マヒ、失明、認知症のような症状がでることがあり、進行したら、治療しても後遺症が出て、治せないこともあります。


梅毒は早期であれば、抗菌薬を1カ月程度飲むことで治せる病気です。
症状がなくなったからと自己判断で服薬をやめず、担当医の指示に従ってください。
進行すると入院して点滴での治療が必要になります。


早期に治療をはじめるためにも「もしかして?」と思ったら、早めに検査を受けることが大切です。
自分だけではなく、セックスやキスなどで他の人に感染させているかもしれない場合は、その人にも検査をすすめましょう。


セックスの時はコンドームをつけることが有効です。
オーラルセックスやアナルセックスでもコンドームをつけましょう。
セックスや性感染症のことを、普段からパートナーと話そう。
もしも感染した場合、パートナーの検査も必要となります。



妊娠中に梅毒に感染していたら…おなかの子はどうなるの?
妊婦さんが感染していると、胎盤を通して胎児に感染し、流産や死産などの原因になったり、赤ちゃんに先天性障害がおこることがあります。
妊娠の早期に発見し、治療すれば、赤ちゃんに影響を与える可能性も低くなります。
一度治療して治れば、あとは大丈夫?
梅毒は免疫ができないので、一度治っても何度でもかかる病気です。また、自分が治ってもパートナーがかかっていれば、また、感染する可能性があります。
つきあっている人は1人だから、感染しにくい?
現在のパートナーが1人でも、元カレや元カノの交友関係からの感染もありえます。

厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業
「HIV受検勧奨のための性産業従事者や事業者等に対する効果的な介入に向けた研究」(研究代表者:今村顕史)
近年、梅毒感染者が特に若者世代で急増しています。梅毒はセックスでうつるため、一度でも経験があれば、だれでもかかる可能性がある病気です。
症状がでないことも多く、治療せずに放置すると気づかずに進行していきます。
感染しているかは、検査してみないとわかりませんが、早期発見・早期治療で治すことが可能です。
梅毒のことをしっかりと知って、不安や心配な時は早めに検査を受けるようにしましょう。
東京都立駒込病院 感染症科部長
今村顕史